アマニと人類の歴史
一面紫のアマの花畑
アマニとは、アマ(亜麻)のニ(仁=種子)の意味で、英語ではフラックスシード(Flaxseed)と言います。
アマ科(Linaceae)の植物であるアマ(亜麻)の学名は、 Linum usitatissimum で、Linumはケルト語で「糸」、英語ではリネンを意味し、usitatissimumはラテン語の形容詞usitaus(最も有益な)に由来しています。
原産は欧州の地中海地方の自生植物で、人類が初めて栽培した植物のひとつと言われています。
古くは、石器時代にスイスの湖畔に棲んでいた古代人(Swiss Lake Dweller People)が、その繊維分と種子を利用していたとの記録が残っています。
紀元前7000年代にはトルコやシリアで、また、紀元前5000年代には、エジプト人も栽培し、ミイラを包む布地に利用していました。
食用としての認知は、西暦800年代で、仏のシャルルマーニ大帝は、「臣民はアマニをとるべし」と、その健康上の価値を認め、法令化しています。
この頃には、種子から搾った油を食に供し、茎は布地(リンネル)や紙に利用するようになりました。
中世および近世にはアマニの栽培は欧州全域に広まり、新大陸の北米には、17世紀に伝播し、1617年に Lois Hebertと言う人が、New France(今のカナダ)に導入し、1753年には米国で商業栽培が始まったと記録されています。
アマニの栽培は、寒冷地に適しており、北米、特にカナダは世界の生産量の1/3から半分を担う、最大の輸出国です。南半球ではオーストラリア・ニュージーランド等が生産国です。